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男性かつらコラム

  • カツラは自然なの?取れない?初めてで不安!という方は必見の口コミ体験レポート。カムーロ見や毛レオさん(30代男性)

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エピソード5

着脱つれづれ日記5
会社での緊張カツラデビュー

夜の飲み屋街でカツラの楽しいひとときを過ごせたとは言え、会社でのカツラデビューはそのタイミングをつかむのに苦心します。

会社でかつらデビュー

会社生活過去30年の中で10年余りハゲおじさんでいる自分が突然黒髪になっちゃうのですから、自分の事と同時に周囲の人へ気を廻してしまいます。困ったな。

それでも、1月のWITH美容室での「型取り」直後には、威勢よく『カツラをするぞ!宣言』を職場でしていました。僕は黙っていられない性格、でもちょっと宣言をするのが早すぎたかもしれません。中国の工場でのカツラ制作期間を忘れていました。

いつになれば見や毛はカツラするんだろうと時々好奇な眼差しで我が頭頂を振り返って見る人や、遠路真っ赤な車で見に駆け付けてくれたデザイナー君もいましたが、髪に何の変化もない月日の内、皆忘れたのか話題にもしなくなりました。

しかし春になって、用意万端整って秘かに新宿での予行演習を経た今となっては、もう後には引けません。

ゴールデンウイークのある日、どうしても休日出勤しなくてはいけなくなったのを機に、ためしにこの休日を「カツラ出勤第1日目」と位置付けました。出会うのは守衛さんぐらいなものかもしれないけど。

ウィッグ台を求めて

当日カツラをかぶった僕は途中O駅近くの女性専門カツラ店の店先で、自分の頭を指さして叫ぶような大声を出していました。

「これカツラなんですが!カツラ台ありますかっ!」

ずいぶん大きな声を出した気がする。小さな店でなにもこんな大声を出さなくてもいいのに、はじめからカツラだなんて白状しろと誰も言ってないのに、きっと僕はすごく緊張していたんです。

「ウイグ台ですね、あいにくこれとこれ1個ずつしかないんですけど」

吸盤付きのセットまでできる高いウイグ台と、樹脂製のキット状の安い簡単ウイグ台でした。

かつら台

しばらく考えていた僕が「両方ください」と言うと、中年女主人は「えっ?」と一瞬意外そうな顔をしたが、「あ、有難うご、ざいます!どうもすみません!」と何度も若い女性店員と共に礼を言うのでした。

気前のいい客と思ったのかな、僕はシャンプーをする自宅では高いウイグ台を、会社では風通しのいい簡単ウイグ台を、と使い分けが一瞬ひらめいただけなのに、あはは。

休日カツラ出勤

休日の会社ビルは居眠りでもしているように見える。社員通用入口を入り「休日出勤ノート」に名前を書いていると守衛が顔を出してじっと見ました。

「見や毛です!カツラです!」微笑んで言うと「あ、あ。」2人の守衛さんはきょとんとした顔をしました。

誰もいない職場の鍵を開けて自席につくとさっきの“簡単ウイグ台”を組み立ててカツラを乗せました。

「うん、これはいい。」 通気性のいいことこの上ない。

カツラ台でカツラがきちんとそばに鎮座していると何だかひとりの人格がそこにいるみたいで、奇妙な感じもします。

数時間ハゲ頭で仕事をし、再びカツラをかぶって帰宅しました。 家では高価版ウイグ台を取り出して愛用カツラを乗せました。

カツラ写真の反応

ある日カツラをカバンに入れてハゲ出勤した僕は、カツラをロッカーの中にウイグ台ごとこそこそ隠し、何もなかったように仕事をしていました。

カツラ写真の反応やがて3枚の写真を取り出し近くの同僚YM君の机上に置きました。写真はあの「カッティングの日」のWITH東京美容室a-reu a-reuの中原さんに撮ってもらったものです。(ユーザーレポートno.3にもあります)

かつらを着けた写真

唇に人指し指を当てて(声を出さぬよう)YM君に目配せしながら、そうして写真を指差したその人指し指を「それ僕」と言わんばかりに僕の顔に向けました。

YM君は即座に「ええーっ!!嘘でしょこれ見や毛さん?別人みたい!!すごい、若っかーい!」と大声を発し僕を仰天させました。

この裏切り者、声を出すなと言ったのに。

ところが声を聞いた社員やスタッフ達はあっという間に数人集まって来て写真をのぞきこみ、驚いて口々に「若っかーい!」「これホントに見や毛さん?」「すごい自然!」と言っているのです。

正直言ってこんなにいい反応を皆がするなんて考えていませんでした。

いい気分だな、さい先はいいぞ。あしたはここでカツラをかぶってやろうと思いました。(ロッカーの中にはもうとっくにあるのに)

小出し

翌日もハゲ出勤しましたが、午後になってロッカーから出して来たカツラを手に、「ちょっとかぶってみようか」とYM君に言って着席し、手鏡をのぞきながら、かぶってみました。

「あ」とYM君。そっと周りを伺うとパソコンに向かいながらも何人かこちらを興味げに見ている。

「若いです。すっごく自然です。素晴らしいです。」とYM君がささやくように言ってくれました。あそう?ホントに?

カツラをはずしてウイグ台に飾り少し離れた自分の机上に置いたまま僕は仕事を続けました。

ウィッグ台とかつら

女性スタッフたちが面白がってウイグ台のカツラを見ていたようです。

YM君がそっと来て真顔で見つめ嬉しい質問。「見や毛さん、そんなに若返って奥さんが妬きもち妬かれません?」

ホントに似合っていなければ出て来ないお言葉ではありませんか。

決ーめた。明日からカツラで出社するぞ!

カツラ出社

朝9時前に守衛室のそばを挨拶しながら通り過ぎると、背後から「ははは」と守衛さんの笑い声が聞こえました。

同じ時刻に出社しているロビーの社員たちは誰も僕であることに気付きません。多分受け付け嬢も。

蒸し暑い部屋に着席してからはカツラをはずしウイグ台に乗せて仕事をやっていました。

少しして、ネクタイもはずし汗ばんだワイシャツのえりを拡げた僕は、うつむき加減に守衛室の前を通りかかりました。するときちんと制服を着た守衛さんが急に直立不動姿勢で並び「行ってらっしゃいませ!」と3人で最敬礼をしました。

どうしたんだろう、いつもと違ってやけに他人行儀だな。

僕は役員でもないし、ただお向かいの店に駄菓子を買いに行く途中なだけなのに。なんだあの最敬礼は。マンガみたい。

分かったぞ、あとで考えるとこうだ。5-6人入れ代わり立ち代わりする守衛室では、休日当直の守衛が見た僕のカツラ頭を今日の他の守衛に「あれ、カツラなんだ、あの見や毛さんだ(そう、ハゲの)」と教え合ったに決まってる。

きっと笑い声に気分を害した僕が、カツラをはずしたハゲ頭で、嫌味に現れたと思い緊張したんだな。

お向かいの酒屋は駄菓子の種類が少なくてダサくていつも同じ物しか置いてない。僕が「今日は何にしようかな、ッタクいつも種類が少ないんだから、あの店は……」とぶつぶつ独り言を言いながら守衛室の前を通りかかったのを、優しい守衛さんから見れば僕が不機嫌そうに見えたんですね。

   

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