日本社会は「恥の文化」を持つ

日本人がカツラをかぶる訳、カツラを嫌がる訳 6/12
(ハゲとカツラに関する日本人の意識の考察)


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カツラを使う男性の深層心理として、髪に関して人目を感じないようになりたいと思っていることが推定できます。

髪がないのは人と違い恥ずかしいのでカツラを使って補うというのです。

「恥ずかしい」という感情に日本人の考え方は左右されがちです。日本人は人のことを気にする、そして人から自分がどう思われているのかをとても気にする民族のようです。

そして日本人は人と違うことや人から外れることをとても嫌うという特性も持っていますよね。

日本人の感じる「恥ずかしい」という意識はどこから来ているのでしょうか?

恥ずかしいという感情の植え付けは、最初は親から行われます。

日本では、親が「みっともないからやめなさい」「そんなことしたら人に笑われますよ」「世間に顔向けができない」とかいって子供を叱ることが結構ありますよね。

普段の生活でしつけと称して親が子に教え込む事柄が、子供にとって大きな影響となります。

小さなころのしつけ教育そして自我が芽生えた後の学校等で友人関係にもまれる中で人と違うことを恥ずかしいと思うよう刷り込まれていくのでしょう。

アメリカの小学校で授業参観をしたことがあるのですが、アメリカ人の子供はわかってようがわかっていまいが手を上げて自分の意見を言います。小さなころから自分を表現することが当たり前なのです。

多民族の集まりであるアメリカではまず言わなければわからないので自分の主張をしっかりします。他人とは考えに違いがあることが当たり前という前提なのでとにかく何が何でも話すのです。

それに比べ日本人の子は、やっぱり控えめで自分の答えにある程度自信がないと手を挙げません。間違うことを恥と感じるから気軽には手が挙げられないのです。恥ずかしいと思いあまり自己主張をしないのが日本人なのです。

日本文化を説明した「菊と刀」という本で米国の文化人類学者ルース・ベネディクトは、日本文化を外的な批判を意識する「恥の文化」であると述べていますが、確かに恥ずかしいという感情が日本人の意思決定に大きく影響しているのを感じます。

私達日本人は奥ゆかしくあまり自分の感情を表にはっきりとは出しませんし、人と違うことや目立つことを恥ずかしいと思ってしまう傾向が明らかにありますよね。

私達日本人は現代でも無意識に人と同じであることを望み、外れてしまうことを恐れるのです。

日本人はもともと農耕民族で、集団で農作業をやらないと収穫をお得ることができなかったため、ほかの人が自分をどう考えているのかその心を探ることが重要なことだったから今でも人のことを気にするのではというのです。

他人と協力していかないと生きていけない村社会に生きていたときのなごりなのではないかと言われています。


日本語は人のことを気にする言語


日本語は人目を気にする

日本語は人目を気にする

日々使う言語によって国民性は現れるようです。日本語というのは、敬語という特徴的な話し方を持ちます。この敬語という日本語特有の話し方をすることが、日本人の考え方に大きく影響しているようです。

日本語は主語を省略できるのですが、(英語と比べて)日本語は敬語が圧倒的に豊富だからです。 会話で主語が必要ないということは、自分が考えていることが主体ではなく、周囲との関係において文脈そして表現内容が決まるということです。

「私はこう思う!」というのではなく「周りも含めほとんどみんな、こう思っているみたいですよ」というのが日本語の話し方なのです。

日本人は会話するときに自分と相手との関係性を重要視します。

お互いに相手の立場を見極めて、それにあった立ち位置で話すため、会話のときに選ぶ語彙を変えなければなりません。話すときに、年上であるかどうかやお互いの立場がどうかということを考えることがとても重要です。

自分と相手の間の尊卑、優劣を考えざる得ないのです。普段使っている言葉がこのようだと、当然考え方にも影響がでてきますよね。

立場を尊重する言葉を使う日本人は、常に他人との関係性を考えなければならなく、常に自分の立場を気にするのです。「人を気にする、人からどう思われるのか気にする」のは、私達が使う日本語という言語によるところも大きいのかも知れません。

そしていつも自分の立ち位置を確認している私達日本人は、だから人間の優劣や恥ずかしいという感情に敏感なのかも知れません。


※このコラムの中では敢えて「ハゲ」という言葉を使っています。


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シリーズ
日本人がカツラをかぶる訳、カツラを嫌がる訳 6/12
(ハゲとカツラに関する日本人の意識の考察)

1 日本人のカツラはここまでかというほど、細かいところまで気にする
2 小さい頃から使われる「ハゲ」という言葉
3 男性が人目を気にする相手は実は女性なのではない
4 ハゲることへの恐怖感
5 日本人男性がカツラをかぶる理由
6 日本社会は「恥の文化」を持つ ←
7 劣等感と優越意識
8 カツラが嫌われる理由
9 人間は若くありたいと思うし、かっこよくありたいと考えるもの
10 新しい潮流も出てきている
11 カツラが世間に認められる鍵は女子高生や女子大生が握っているかも
12 カツラショップの店長として思うこと


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