かつらのベース生地が傷む
かつらベース生地のコーティング部分がウィークポイント
かつらのベースの中で、一番傷みやすいのはベース裏のコーティング部分です。
素材はメーカーによっていろいろありますが、ビニール、ポリウレタン、ナイロン系などの石油系の樹脂を使用しています。
コーティング剤を塗る理由は、主にテープや接着剤を留めやすくするためです。
また、人工皮膚の裏にもコーティング剤は使用されています。
はじめは柔軟性があり、ツルツルしてきれいなのですが、使い続けていると、1~2年で柔軟性がなくなり、硬化してきます。
そのうちひび割れが起こり、ひどくなると割れてバラバラ剥がれてしまいます。
汗や皮脂はかつらベース生地の天敵
通常はそう簡単に劣化する素材ではないのですが、コーティング部分が直接 頭皮にあたっている場合、頭皮から分泌される汗や皮脂にまみれて過酷な環境になるため、傷みやすくなってしまうのです。
汗は、皮脂腺(ひしせん)から分泌する皮脂と乳化作用をおこすことにより、酸性の皮脂膜を作ります。
普段は、この皮脂膜が皮膚を覆い、皮膚表面に細菌が付着したり、科学的刺激・機械的刺激を受けたりするのを防いでいます。
汗そのものは、匂いや悪い作用もないのですが、時間が経ち空気に触れて酸化することにより、頭皮にもともとあった細菌を増殖させます。
そして、汗の中に含まれる脂肪を分解して悪臭の元を作ったり、酸化脂肪と細菌の強力な連合軍がかつらの裏側の樹脂を長い時間をかけて浸してヒビ割れを作ったりする原因となるのです。
毎日のお手入れ方法
お手入れといっても、毎晩カツラをはずしたときに、カツラの裏側の汗や脂分をきれいにふき取るだけです。
お手入れの際には、必ずタオルを水(あるいは、ぬるま湯)かで固く絞っている”水分のあるタオル”である必要があります。
乾いたタオルやティッシュペーパーでは水分は取れても、酸化した汗の成分は残ってしまうので、きれいになったように見えても、かつらの裏の樹脂組織を破壊する成分は残っていて、破壊しつづけるのです。
また、ウエットタイプの油取り紙も、よく油分が取り除けます。
毎日たった1~2分のメンテナンスで、かつらの裏側は驚くほど長持ちするのです。
各かつらメーカーで行われている「油抜き」というメンテナンスももちろんひとつの方法ではありますが、費用もかかりますし、わざわざサロンまで通わなければなりません。
そう考えると、毎日たった1~2分の作業の方が簡単で楽ではないかと思います。
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