飽きない商店/飽きない経営

2011年 日本専門店会連盟機関誌 11月、12月号


   


ビック・フィールド・マネージメント(株)代表取締役
スカイマーク(株)監査役、福岡大学経済学部講師
大野 尚


当たり前が第一歩

「景気を良くする。日本を良くする」という強い思いで、民主党の代表、行政府のトップである野田総理が誕生しました。 一年足らずでコロコロと変わる日本の首相。 世界から見れば、「日本は能天気な国」と思われていることでしょう。

東日本大震災の被災地の復興、福島原発、電力不足と再生子不ルギー、円高、TPP、さまざまな問題や課題が山積みです。自らをドジョウと公言し、泥臭くてもじっと我慢の忍耐力があり、案外動きも素早いとドジョウの良い部分を例えている野田首相率い る新政権に、国民の期待を裏切らず、じっくりとしっかり一つずつ 「良くしてほしい」と誰もが願っているはずです。
重要なことは「何を良くしていくのか?」ではなく、 「そのために何をやるべきなのか」を理解していることです。


●「良くする・したい」の゛良い゛とは?

「何々を良くする・したい」という言葉をよく聞きます。 私は企業のコンサル、社員研修を生業としているので、「ぜひ、わが社、社員を良くしていただきたい」と懇願されることがあります。 企業経営者であれば誰もが会社社員を良くしたいと思うのは当たり前のことです。
悪くしたいと思う人は一人もいないはずです。
では、「良くする・なる」とはどういうことでしょうか?

企業であれば、継続して収益が出る状況(黒字の継続)、社員全 員モチペーーションが高く笑顔で楽しく働いて、なおかつ各々の目標 を達成している状況で、問題やクレームもなく、日々順調に過ぎて いく状況…そんな会社がありますか?


●「良い」とは、すべてが比較された状況でしか計ることはできないはずです。

「前年に比べて収益が上がっている」「社員のスキルがアップした」。 これは、できなかったことができるようになったからこそ良くなったと言えるのです。「社員が昔に比べて笑顔で落ち着いて仕事をするようになり、社内が明 るくなった」。これも昔は、社内の雰囲気が暗く活気がなかった過去があったから言えるのです。


●「良い」とは悪い状況が改善された状況を言います。

それでは、良い状況を創り出していくために何をすればよいのでしょうか? 「何を言っているのだ!」「それは問題や課題を解決すればいいだけだ」と叱られ そうです。
確かにそうですが、問題の解決を図る前にやるべきことがあるのです。 そのことに、政府も会社も気づいていないからこそ、目の前の問題を解決することができないのです。
賢い読者の皆さまはお分かりのはずです。そうです。
良くするためには、当たり前のことを当たり前にやればいいのです。 当たり前のことを当たり前にやっていれば、自然と良くなっていくのです。 お金をたくさんかけて、無理して良くする必要はありません。 普段できていない当たり前のことをコツコツとやり続ければいいのです。


●「当たり前のこと」って 何だろう?

当たり前のことに気づいていない会社や、気づいていてもその当 たり前のことができない会社があるから私たちみたいな会社(経 営コンサルタント・社員研修)が成り立つのです。 案外、当たり前のことを探すのは簡単なようで難しいものです。
当たり前のこととは…その答えを出す前に、サッカーが盛り上がっ ていますので、「なでしこジャパン」のお話しでもしましょう。


●なでしこジャパン監督の 寒~い駄洒落

なでしこジャパンの選手たちは、テレビで見る限りみんな楽しそうです。 もちろん勝負の世界で生きる彼女たちは、試合では厳しく真 剣な表情で臨んでいます。 しかし、試合以外では本当に披女たちはい つも笑顔で和気あいあいとしています。代表選手を率いる佐々木則夫監督は、インタビューでの寒~い駄 洒落でおなじみです。この駄洒落感覚が選手たちとの信頼関係を増幅させているのです。

駄洒落が良いと言っているので はありません。
駄洒落が余裕を生んでいるのです。選手たちの心に安らかな和みが生まれています。
監督は緊張と緩和の術を心得ているのです。 満面の笑み、手を大きく広げ選手を暖かく迎え入れる。 すべてがそうです。
良い時も悪い時も選手とともにいる。どんな状況でも選手を信じている。 細やかな配慮もあります。 でも、基本にあるのは信頼関係の構築です。
そのベースにあるのはコミュニケーションの円滑化なのです。
監督の駄洒落やジョークは、すべてチーームの円滑なコミュニケーションを作り出しているのです。 お分かりですか?
最初の゛当たり前゛とは、コミュニケーションをとることなんです。

「そんなの当たり前じゃないか!やっているよ!」とこれも叱られそうです。

でも、実際にはできていないところが多いのです。 社員、取引先、お客さまとの「おはようございます」というあいさつ一つとっても、満足にできていないところが多くあります。
しかしほとんどの会社では、社員同士、取引先、お客さまにはあいさつをしていると思っています。


●対象は常に相手にあります

あいさつをするときの状況は相手の立場によって自分がどんな に良いあいさつだと思っても、相手に通じていないことが多々あり ます。
勝手な思い込みで自分はあいさつしていると思い込んでいるだけです。相手に伝わるあいさつこそ、コミュニケーションの始まりです。
逆に「おはようございます」の一言で相手を不快にさせることもあるのです。
赤ちゃんを抱っこしているお客さまに、元気に大きな声であいさ つしたら、赤ちゃんは驚いて泣いてしまうこともあります。
このような事例は頻繁に起きています。相手を思いやる気持ちを忘れて、マニュアルどおりの大きな声のあ いさつが職場の当たり前になっているのです。
コミュニケーションは、無関心な気持ちでは一歩も前に進まない のです。
相手のことを思いやるその気持ちを普通に持てるかがとても重要なことなのです。
先ほど、佐々木監督は選手に対する細やかな配慮があると書きま したが、それが無関心にしない「気持ち」です。一人ひとりの状況に 合わせた配慮、これが「気持ち」です。


●組織力は団結カ!

団結力=チームカをつくり出すのは、組織内の信頼関係です。その信頼関係は円滑なコミュニケーションがベースとなります。その信頼関係を維持する力がリーダーシップ、指導力=統率力と言ってもいいでしょう。強い指導力とは、己の立場の権力で推し進めるパワーではなく、組織内の人員が同じ じベクトルで、自らやるべきことを行っていく状況をつくり出すことです。その源は信頼関の構築です。もちもん信頼関係の構築だけではうまくいきません。トップには戦略立案という重要な仕事があります。
指導力があってもどの方向(ビジョン)に、何を使って、ど のような具体的な動きで戦術を駆使させるかで明暗を分けることに なります。 ヒトを導く力があっても的外れな戦略や戦術ではうまくいきません。

組織同士の戦いでは、ヒト・モノ・コト・ジョウホウを結集させ、 それぞれの強みを生かしていかなければ、組織としての力を発揮す ることはできません。
ヒト以外のものは分類・整理・つなげてリンケージ(連鎖)を図っ たうえで作用させて戦略・戦術に落とし込めばいいのです。 ただ、それを動かすヒトはやっかいです。


●人は感情と勘定で動く→気持ちとお金で動く

企業収益が良く、儲かれば「金・待遇」の還元は難しくありません。
難しいのは感情です。感情はヒトのこ気持ち」の変化です。
常に安定していればよいのですが、人の感情にはバイオリズムがあります。
また、さまざまな要因で高ぶったり落ち込んだりします。
自分自身の感情コントロールも難しいのに、他人の心のコントロールなんてできるものかと嘆きたくなるのは分かります。 加えてトップの気持ちの乱れで、経営を不安定にするわ けにはいきません。
心を乱さないためには、肉体と精神のバランス が必要です。
適切な睡眠、入浴、食事、運動などによる肉体面への健康管理が 精神面の安定につながります。 これも当たり前のことですが、実際に行うのは難しいものです。
必要な仕事で遅くなるのは仕方のない ことです。
しかし、つい遅くまで飲み過ぎてしまったり、飲み会後 に締のラーメンなんてこともあります。 自ら招く暴飲暴食、睡眠不足による不健康な生活が続くと、 必ず精神面に大きな打撃を与えることになるのです。


●自制こそが肉体と精神のバランスをつくる

ここまでは「気持ち」の部分について話を進めてきましたが、 日々の当たり前の行動ができずにうまくいかないケースがあります。 そのことについてお話しましょう。


●できることをしっかりやっていますか?

先日、飲食業界の集まりに参加する機会がありました。
その席上でオーナーやシェフたちが口々に、 「今年は厳しい!」と叫ぶのです。
よく聞くと、大手外食チェーンが極端な安売りに走り、また、小さ な個人経営のお店が安くて良いものを提供している。 それに加えて回復しない景気の影響もあり、外 食の回数が減り、財布のヒモも堅くなって売上げが上がらないと嘆 いているのです。
従業員を数名から数十名抱える中堅どころのお店は、売上げも上 がらないのに毎月決まった固定費(家賃・人件費等)は出て行くので、 赤字に陥っているのです。
でも、何かおかしくありませんか?
やることをやっていますか?お客さまが来ないのを外的要因のせいにして、文句ばかりで 何一つ行動に移していないのではないですか? 「文句を言う暇があったら、ビラの一枚でも配ってこい!!」と思 わず叫んでしまいました。 大手チェーンの極端な安売りも彼らなりの知恵と努力の結果です。
個人の小さなお店は、オーナーシェフが一人でお客さまに喜んで もらえる美味しい料理を研究し、新鮮で安い仕入先を探しまわり、 お金のかかる広告に頼らずHPやブログ、SNSを積極的に活用し、 回れる範囲のマンションや会社に自ら足を運び、ポスティングを 行った努力の結果なのです。


●儲かるお店や会社は努力を 当たり前と思っている

飲食業であれば、お客さまに喜んでもらえる美味しいものを提供 する。衛生面には特に気をつける。 気持ちの良い接客を行う…当たり前のことです。
それでも、競争が厳しくお客さまが来ないのであれば、来てくれ るように動くのです。
小さなお店のようにSNSやブログ、HPなどのソーシャルメディアを駆使し たコミュニケーーションツールを活用し、さらにビラを作ってハン ディングやポスティングを行うのは当たり前のことなのです。
うまくいかないのは努力を忘れ、ほかのせいにしているからです。
どんなに厳しい状況でも、業態でも、 儲かっているところはたくさんあ ります。


●お客さまが喜んでくれることを徹底的にやること

福岡市に本社を置く、かつらメーカーの「かつらWith」こと 「株式会社ウィズアルファ」(http://www.katurawith.com/) は、来年の一月に創業一〇周年を迎えます。
スタッフ、ー○名未満の小さな会社です。 それでもしっかりと黒字経営を続けています。
大きな利益は上げていませんが、一年一年少しずつ成長を続けています。
お客さまの支持を得て収益を上げ、成長を続ける秘密(当たり前) は次にあります。

1.お客さまの困っていることを徹底的に探究する姿勢

対象者(薄毛の方や病気の治療段階で必要な方)にヒアリン グを行っています。また、購入されたお客さまにアンケートを 実施して、常に製品のレベルアップに努めています。

使用者の立場に立った製品作りはプロダクトアウトではなく、常に マーケットインの姿勢を貫いています。

2.品質の良いものを大手の四分 の一の価格で提供

一度きりのお付き合いではなく、お客さまとの長いつながり が重要だと考えています。
そのため、お客さまに大きな負担をかけない適正価格で提供しています。

3.販売チャネルは HPに集約

店舗販売、代理店販売はせず、自らのHPのみが販売チャネルになっ ています。
自分たちの理念、フィロソフィ(哲学)思いが薄まること がないようにしています。
また、お問い合わせには速やかに対応するた めに販売チャンネルをにしています。

4.プロの美容師、理容師がオーダーメイドに対応

お客さまの最寄りの代理店(美・理容店) のかつらの講習 を受けたプロの美・理容師が型取り、カット、調整を行い、お 客さまの期待を裏切らない品質を維持したうえでお渡しします。

5.明確な価格表示

「最初は安かったのにいつの間にか1〇〇万円近くになって しまった」というような話がよくあるかつらの世界。
商品ごとに明確な価格を明示することで、お客さ まの価格に対する不安を取り除いています。

6.しつこい勧誘をしない

購入の選択権はお客さまにあります。
商売の基本を忘れず、無理強いする販売をしない ことでお客さまの信頼を得ています。
「かつらWith」 の販売チャネルはHPだけですので、アクセス数を増やすことが見込み客 を増やす一番の方法です。
他の商品とは違い、自分が購入したこと を公言して口コミで拡げてくれる人は少数です。
だからこそ、新しい情報を常に発信し続ける必要が あります。
HP制作会社やSEOの会社に任せっぱなしにするので はなく、スタッフ総出で必要なキーワードの絞り込み、使用者の 言葉(お客さまの言葉)の更新など、常に機会やチャンスを広げる 動きを取り続けているのです。
何かあればスタッフ全員で侃々諤々と会議をして、お客さまに喜 んでいただける状況をつくり出す改善を行っています。

「かつらWith」の当たり前は困っているお客さま一人ひとりに 喜んでいただくために、自分たちの当たり前をしっかりと積み重ね て続けていくことなのです。


●成長は当たり前のレベルアップです

会社によって゛当たり前゛の内容が違います。 まずは、あいさつや掃除から始まるところもあるでしょう。
その内容を高めていく努力を当たり前だと思うことです。 キツイ、大変と思っていることが普通にできるようになること。

その当たり前度の高さが会社の未来を大きく変えていくのです




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