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かつら工場見学
2014年春の中国かつら工場
もともとは韓国でかつら産業が盛んだったのですが、人件費などの高騰により、より安い労働力を求めて近郊の中国の沿岸部に進出し、中国の会社と合弁でかつら工場を建てたのがきっかけで中国でもかつら作製の技術が広まり、産業が盛んになったそうです。
ここまでは聞いたことがあったのですが、なんとその韓国にかつら作製の技術を伝えたのは日本の企業なのだそうです。
中国の方に言われてあらためてそうかなと思いました。
確かに、そういえば、日本で昔は、美容室で長い髪を切った後に、その髪を買い集める業者がいたという話は聞きますし、今でも人工毛のトップメーカーは日本製です。
世界に出回っているファッションウィッグの原材料である人工毛の製造元が日本であるのは誇らしいですね。
(そういえば、ちょっと前に、アジア、アメリカ、ヨーロッパだけでなくアフリカでも日本製の人工毛ウィッグが大人気という話題を扱ったテレビ番組がああり、ほーーと思ったものでした!)
ただし、とても気が遠くなるような手作業が必要な植毛の仕事は、海外に流れていきました。
最初は韓国、そして韓国に近い中国沿岸部にと。
近代化に伴い生活レベルの向上や賃金の高騰により、あの細い毛を一本一本手植えする細かい手作業が敬遠され、より労働力の安い国へと流れていったのですね。
韓国や北朝鮮からとても近い中国の東沿岸部では、ハングル文字の看板が多く立ち並ぶエリアもあって、「朝鮮族」と呼ばれる韓国系中国人や朝鮮系中国人の方達が多く住まわれています。
朝鮮族の方達が運営するかつら工場もあり、韓国企業からの受注を請け負っていたり、中には北朝鮮の工場に下請けを発注している工場もあるらしいのです。
中国にかつら技術を伝えた韓国の人々は、韓国語もわかり中国語も流暢に話す朝鮮族の人をうまく活用して行ったのでしょうね。
ほほ~っと、大陸ならではの事情を聞いて驚いてしまいました。
陸続きですから、やっぱり密接にかかわりがあるのでしょうね。
もちろん、中国でもめざましい近代化が進んでいます。
物価の上昇はとどまる所を知らない勢いですし、賃金も上昇の一途を辿っています。
5年くらい前に訪問した際には、東沿岸部会社員の平均賃金は3万円と聞いておりましたが、今回は8万円位とおっしゃっていました。
倍以上のアップにとても驚きました。あと何年かすれば日本の平均賃金にまで届く勢いです。
農村部の若者達も、都心に出て企業に勤め、よい暮らしをしたいと考えているそうですが、ごく自然な流れだと思います。
そんな中、中国の工場では、人手不足に悩んでいるそうです。
生活レベルや賃金の上昇に伴い、髪の毛1本1本を細い針を使って手植えをしていく気の遠くなるような手作業は、もはや若い女性達には好まれなくなってきたようです。
かつら作製には、機械植えなどの手法もありますが、高品質で自然なかつらは、やはり総手植えでなくては作れません。
農村部から人手を募集し、寮などの施設を完備し、昼食には工場で給食も用意するなど、色々手を考えて人材確保をしているようですが、それでも難しいといいます。
南アジアから出稼ぎの人員を確保しようかなど、海外へ目が向けられはじめています。
12億の人口がいるのにもかかわらず、かつら作りに従事したい人が減少してきて、もっと賃金が抑えられるであろう近隣アジア諸国の人を中国に呼び寄せようとしているとは、なんだか驚きです。
手間がかかり、高い技術が要求される植毛技術ですが、必要とされる方が多くいらっしゃいます。
なんとかこの技術を絶やさず継続、向上していって頂きたいです。
そのサポートはしっかりして行っていかなくては!と感じた次第です。
この記事『2014年春の中国かつら工場』は、かつら取扱い歴20年以上のウィズのスタッフが執筆しお届けしています。
かつらウィズでは「髪を通して笑顔と自信を」を理念として、ウィッグをご提供しています。
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