退職の数日前、よく話をしていた新人のNさんが、「僕このごろ頭のてっぺんあたりが薄くなってきてるんです。」と話しかけてきたので、「心配ない!私もそうだったが今は特殊装置を装着しているんだよ。」と返した。Nさんは不思議そうな顔をしていた。
退職の日、私はNさんに「ちょっと更衣室へ来てくれるかな」と言って更衣室でウィッグを脱いだ。Nさんは驚いて「えっ、全然分からなかったです。違和感なかったから。脱いだ方が違和感があります。」と言った。
もうウィッグは私の体の一部として完全に馴染んでいると実感し、自信を持ったひとときだった。
私がウィッグを購入したのは今から5年前、インターネットで安いカツラを調べて愛用者のコメントも参考にして決めた。ドキドキで初めて職場に着けていった。年下の女性課長が「あっ、髪の毛、増えましたよね。」とストレートに言ってくれた。それからは職場のみんなに知れ渡り、何の不安も無く気持ちよくウィッグを使用することができた。
もちろん暑い日は使わずに行く日もあった。このように私の場合は家族・職場にオープンにして使用している。つまり私にとってのウィッグはおしゃれなファッションなのだ。