医療用ウィッグをお使いの方から、「MRI検査のとき、ウィッグは外さないといけませんか?」「レントゲン撮影は、ウィッグを着けたままでも大丈夫ですか?」というご質問をいただくことがあります。

病院での検査とはいえ、人前でウィッグを外すことに抵抗を感じる方もいらっしゃると思います。特に、治療中や脱毛中の方にとっては、ウィッグは毎日の生活の一部になっていることもあります。「検査のときも、できれば外さずに済ませたい」と思われるのは自然なことではないでしょうか。

ただ、MRI検査やレントゲン撮影では、ウィッグに使用されている金属製のストッパーピンや、もみあげ部分の銅線などについて注意が必要です。

ここでは、MRI検査とレントゲン撮影では何が違うのか、ウィッグのどの部分に注意すればよいのか、そしてWithでは検査時のことを考えてどのような工夫をしているのかをご説明します。

ウィッグを着けたまま
検査できるか?

結論:
医療用ウィッグを着けたままMRI検査やレントゲン撮影を受けられるかどうか?は、
検査内容や撮影部位、医療機関の規定によって異なります。

MRI検査では強力な磁石と電波を使用するため、取り外すことのできる金属類などについて、検査前に確認や取り外しが行われます。また、医療機関によっては、金属の有無にかかわらずウィッグ自体を検査室へ持ち込めない場合もあります。国立がん研究センターも、MRI検査では取り外せる金属類を外し、体内外の金属について事前確認するよう案内しています。

一方、レントゲン撮影では、撮影する範囲に金属やプラスチックなどが重なると画像に写り込み、診断の妨げになることがあります。そのため、撮影部位によってはウィッグやヘアピンなどを外すよう案内されます。

Withでは、こうした検査時のことも考え、全かつらのもみあげ部分に入っている銅線を取り外せるポケット構造を採用しています。

また、金属製のストッパーピンを避けたい方には、金属を使用していないプラスチック樹脂製のストッパーピンもご用意しています。

ただし、これらの金属パーツを取り外した場合でも、ウィッグを着けたまま検査できるとは限りません。

検査を受ける際は、事前に医療機関へウィッグを使用していることを伝え、ウィッグや銅線・ストッパーピンの取り扱いについてご確認ください。

MRI検査では、なぜ
ウィッグの金属に
注意が必要なの?

MRI検査とは?

MRIとは「Magnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像)」の略で、強力な磁石と電波を利用して体内を画像化する検査です。

X線を使用するレントゲン撮影とは仕組みが異なり、MRI装置では強い磁場が発生します。そのため、検査を受ける前には、金属類や電子機器、体内にある医療機器などについて詳しい確認が行われます。

医療用ウィッグをつけてMRI検査を受けられる?

MRI検査で金属類に注意する理由

MRIでは、磁性をもつ物が強い磁場に引き寄せられる危険があります。

また、金属類は材質や状態などによって、検査画像への影響や発熱などにつながる可能性があるとされています。そのため、取り外せる金属類は事前に外すよう案内されています。厚生労働省も、MRIの磁場による磁性体金属の吸着や、金属を含む機器等の発熱・火傷などのリスクについて注意を示しています。

時計、アクセサリー、ヘアピンなどのほか、カラーコンタクトやアイメークなどについても、医療機関から取り外しや使用中止を案内される場合があります。

医療用ウィッグにも金属が使われていることがあります

ウィッグによっては、

  • 自毛に固定するための金属製ストッパーピン
  • もみあげ部分の形を整えるための銅線やワイヤー

などが使用されています。

そのため、MRI検査を受ける際には、「医療用ウィッグを使用していること」「ウィッグに金属製のピンや銅線が使用されていること」を事前に医療機関へ伝えておくことが大切です。

医療機関によっては、ウィッグそのものをMRI検査室へ持ち込まないよう案内しているところもあります。

レントゲン撮影では、
医療用ウィッグを
着けたままでも大丈夫?

レントゲン撮影とは?

一般に「レントゲン」と呼ばれる検査では、放射線の一種であるX線を利用して、胸部・腹部・骨・関節などを画像として撮影します。

MRIのような強い磁場を使う検査ではありません。

そのため、MRIとレントゲンでは、金属類に注意する理由も異なります。

医療用ウィッグとレントゲン検査について

レントゲンでは、撮影範囲にある金属やプラスチックに注意

レントゲン撮影では、撮影する範囲に金属やプラスチックなどが重なると画像に写り込み、診断の妨げになることがあります。

そのため、撮影部位にあるアクセサリー、衣類の金具、ヘアピン、プラスチック製品などを外すよう案内される場合があります。

特に頭部や頸部を撮影する場合には、「かつら」を外すものとして具体的に案内している医療機関もあります。

一方、胸部・腹部・脚部など、ウィッグが撮影範囲から離れている検査では対応が異なる場合があります。

医療用ウィッグを着けたまま撮影できるかどうかは、撮影する部位や医療機関の判断によって異なりますので、事前にご確認ください。

Withのウィッグは、
検査時に金属パーツを
取り外しやすい設計

病院で検査を受けるときに、「できれば人前でウィッグを外したくない」「ウィッグについている金属だけ外せたらいいのに」と感じる方もいらっしゃいます。Withにも、これまでお客様から検査時のウィッグについてご相談をいただいてきました。

そこで、検査などで金属を外す必要があるときにも、できるだけ対応しやすいウィッグにできないかと考え、ウィッグに使用する金属パーツを取り外しやすいよう工夫しています。

もみあげの銅線を取り外せる「ポケット構造」

全かつらのもみあげ部分には、頬の輪郭に沿うよう形を調整するための銅線を使用しています。

Withでは、この銅線をウィッグ本体へ完全に固定するのではなく、もみあげ部分に設けた小さなポケットへ入れる構造にしています。

ポケットには小さなスリット(切れ込み)があり、そこから銅線を出し入れすることができます。

ウィズの医療用ウィッグは金属取り外し可能
ウィズの医療用ウィッグは金属取り外し可能
医療用ウィッグのワイヤー
医療用ウィッグのワイヤー

これは、検査などで金属を外す必要があるときに、ウィッグ全体ではなく、まず銅線だけを取り外せるようにするための工夫です。

MRI検査などで金属を外すよう案内された場合には、銅線を取り外し、検査後に再びポケットへ戻すことができます。

※銅線を取り外した場合でも、ウィッグを着けたままMRI検査を受けられることを保証するものではありません。医療機関によってはウィッグ自体を外すよう案内される場合があります。

金属を使用していない「プラスチック製ストッパーピン」

ウィッグを自毛に固定するストッパーピンは、一般的には金属製です。

Withでは、金属製ストッパーピンを避けたい場合の選択肢として、金属を使用していないプラスチック樹脂製のストッパーピンもご用意しています。

通常のストッパーピンと同じように、ウィッグの裏面へ縫い付けて使用することができます。

カツラ用ストッパーピン(クリップ) プラスチック樹脂タイプ
カツラ用ストッパーピン(クリップ) プラスチック樹脂タイプ

ただし、プラスチック製であっても、レントゲン撮影では撮影部位に重なると画像に写り込む場合があります。X線撮影では、金属だけでなくプラスチック類も撮影範囲にある場合は外すよう案内されることがあります。
「プラスチック製だから検査時も必ず装着できる」というものではありませんので、事前に医療機関へご確認ください。

※製品の種類や仕様によって、銅線やストッパーピン等の仕様は異なります。

MRI・レントゲン
検査を受ける前に
確認しておきたいこと

医療用ウィッグを使用している方が検査を受ける場合には、予約時や検査前に、「医療用ウィッグを使用しています」と医療機関へ伝えておくことをおすすめします。その際、

  • どのような検査を受けるのか
  • どの部分を撮影するのか
  • ウィッグに金属製ストッパーピンが付いているか
  • もみあげ部分に銅線が入っているか
  • 銅線を取り外せる構造になっているか
  • プラスチック製ストッパーピンを使用しているか

などを伝えると、医療スタッフにもウィッグの状態を確認してもらいやすくなります。MRIやレントゲンなどの検査では、医療機関や検査内容によって対応が異なります。
最終的には、検査を担当する医師や診療放射線技師など、医療スタッフの指示に従ってください。

MRI・レントゲン検査と
医療用ウィッグ 
よくある質問

銅線を外せば、ウィッグを着けたままMRI検査を受けられますか?

銅線を取り外したとしても、必ずウィッグを着けたままMRI検査を受けられるとは限りません。MRI検査では医療機関ごとに安全管理のルールが設けられており、ウィッグそのものを検査室へ持ち込めない場合もあります。事前にウィッグを使用していることを医療機関へ伝え、指示をご確認ください。

プラスチック製のピンならMRI検査でも大丈夫ですか?

Withのプラスチック製ストッパーピンには金属を使用していません。ただし、プラスチックピンを使用していることだけで、ウィッグを着けたままMRI検査ができるとは判断できません。ウィッグのほかの部品や医療機関の規定などもありますので、検査前に必ず医療機関へご確認ください。

レントゲン撮影なら、ウィッグを着けたままでも大丈夫ですか?

撮影部位によって異なります。レントゲン撮影では、撮影範囲に金属やプラスチックなどが重なると画像の妨げになる場合があります。頭部や頸部の撮影では、ウィッグを外すよう案内される場合があります。胸部や脚部などの場合も含め、実際に着けたまま撮影できるかどうかは医療機関へご確認ください。

MRIやレントゲン以外の検査ではどうすればよいですか?

検査の種類や撮影する部位によって、ウィッグや金属・プラスチック部品の取り扱いは異なります。検査予約時または検査前に、「医療用ウィッグを使用している」ことを医療スタッフへお伝えいただき、取り扱いをご確認ください。

詳しくは『よくある質問・Q&A

検査を受けるときも、
できるだけ負担を少なく

治療中や脱毛中の方にとって、ウィッグは単に髪を補うためだけのものではありません。外出するとき、人と会うとき、仕事をするとき。毎日の生活をいつもの自分らしく過ごすための、大切な存在になっている方もいらっしゃいます。

だからこそWithでは、自然な見た目や着け心地だけではなく、「治療中の生活の中で、どんなことで困るだろう」ということまで考えながら、できるだけ使いやすいウィッグにしたいと思っています。

検査時に金属を外す必要がある場合にも対応しやすいよう、もみあげ部分の銅線を取り外せるポケット構造にすること。金属製のストッパーピンを避けたい方のために、プラスチック樹脂製のストッパーピンをご用意すること。

こうした小さな工夫も、その考えから生まれています。もちろん、実際にウィッグを着けたまま検査できるかどうかを判断するのは医療機関です。
MRIやレントゲンなどの検査を受ける際は、事前にウィッグを使用していることを医療機関へお伝えいただき、その指示に従ってください。

本ページの医療情報について
MRI・レントゲン検査に関する一般的な説明は、国立がん研究センター、厚生労働省、国立病院機構、日本赤十字社などが公開している情報を参考にしています。実際の検査方法や安全管理、ウィッグの取り扱いについては、検査を受ける医療機関へご確認ください。
・国立がん研究センター「MRI検査とは」:MRIは強力な磁石と電波を使用し、取り外せる金属類は外すと案内。
・厚生労働省「磁気共鳴画像診断装置に係る使用上の注意」:磁性体の吸着や金属を含む機器等の発熱・火傷などについて注意。
・国立病院機構 東京病院「一般撮影」:頭頸部・歯科のX線撮影では「かつら」を外す対象として明示。
・同「MRI検査」:MRI室への持ち込み制限として「かつら」を明示。