男性かつら体験談
20代から薄毛に悩み、消極的な自分を変えるために部分かつらを着用。その結果は・・・?ランサーさん(30代男性)

薄毛で嫌な思いをした?女性の目が気になる?
私は長いこと薄毛に悩んでいます。
確かに薄毛には遺伝的なものもあると言われていますし、普段の生活習慣や環境の悪さなどからも影響されてしまうので、ただ悩んでばかりいても仕方がありません。
これも個性の一つだ、と割り切ってしまえばどんなに楽だろうかと思ったこともあります。
また、思い切ってスキンヘッドのように薄毛であることを利用したヘアスタイルに変えることも考えたこともあります。
でも実際にはそんな勇気は私にはなく、ただひたすらに薄毛であることを誤魔化しながら生活することしかできませんでした。
しかし、そんな薄毛で悩む私にとって人の視線というものが本当に精神的につらい時期がありました。
そんな時は自分の周りにいる人全員が自分を見ているような、誰もが自分の陰口をたたいているような、そんな感じがするのです。
どんなにファッションに気を遣う、自身の体を鍛えても「ハゲ」というだけで自分の評価が下がったような気がしてしまうのです。
一人で苦しんだ学生時代
実際に学生時代は本当に最悪でした。
私は大学2年生の頃に自分の父親と同じように、おでこから髪が後退していき、抜け毛は分け目のあたりから少しずつ始まりました。
普段は帽子で隠して誤魔化していたのでよかったのですが、いざサークルなんかの飲み会なんかになると、酔っ払った友人が私の帽子を剥ぎ取って「こいつこの歳でもうハゲてるんだぜ!」などと言っては私の頭を笑いのネタにすることがありました。
最初はそれこそ、申し訳なさそうな顔をしていた他の友人たちも、お酒の勢いもあってか、みんな徐々に私の薄毛について「今からそんな頭じゃ彼女なんかできないんじゃない?」などと笑いながら話し始めるのです。
散々髪の薄さでみんなに笑われて、そのたびに内心「うるさいな、ほっとけよ!」と思いました。
しかし、悔しいけれどみんなが面白そうに笑っているので、私もその場の雰囲気を壊したくない思いから「いやぁ眩しいでしょ?こんなに光っててすいませんね!」などと、自虐的発言しては周りのみんなと一緒になって笑うしかありませんでした。
なぜ、ハゲと言われて傷ついているのはこっちなのに、みんなと一緒になって笑うことしかできないのか。
そんなことを考えながら、その度に「何やってんのかなあ、俺。」と毎回飲み会の後で落ち込んだりもしていました。
しかし、こういったことは一度だけではなく、何度もあったのです。
そして、こういうことの繰り返しが一番困りましたし、今になって振り返えってみると当時の私には本当につらかったのです。
あの時、笑っている人たちからすればきっと「これぐらいのことでいちいち本気になるなよ、こっちは場が盛り上がるように冗談のつもりで言ってるんだからさ。」なんて軽い気持ちで私のことを笑っていたのかもしれません。
そうなんです。いつだって、人から身体的特徴を笑われたことに対して、声を荒げて怒ったりするのは「大人げないこと」とされてしまうのです。
しかし、こちらからすれば、「20代の初めから頭が薄くなってきてどれだけ本気で悩んでると思ってるんだ!できることなら誰にも触られたくない、知られたくなかったことなのになぜ、こんな大勢の前で晒されて、しかも笑われなければいけないんだ!」と、憤慨することもしばしばありました。
本気で悩んでいても、他に薄毛で悩んでいるような友人も周りにはいなかったので誰にも相談できず一人で苦しみました。
傷つくことを恐れて恋愛に消極的になってしまった
その他にも、恋愛面では特につらい思いをしました。
自分では薄毛になる前はそれなりに女性とも付き合ったこともありましたし、高校時代なんかは結構モテている方だと思っていました。
しかし、薄毛になってからというもの、飲み会の席では例のごとく頭のことが笑いのネタになってしまうので、それがきっかけで女性と話すことはできても、完全に彼女たちから恋愛対象外ににされてしまうのです。
実際は彼女たちも私の薄毛をあまり気にしていなかったのかもしれません。
私がひねくれた考えで勝手に彼女たちから恋愛対象外にされたと思い込んでいただけに過ぎなかったのかもしれません。
しかし、それだけならいいのですが、このことにより私は自分に自信が持てなくなってしまい、いつからか女性と知り合ったところでどうせ薄毛であることが原因でそれ以上発展しないのではないか、とネガティヴなことばかり考えるようになってしまったのです。
そして、それからというもの、私は女性に対して消極的になってしまい、いつも人の視線を気にするようになってしまいました。
本来ならば、薄毛であることを気にしすぎてネガティヴになるよりかは、堂々としてそれ以外のところで自分を磨いて人間的に魅力的になっていればもっと女性に対しても積極的になれたのかもしれません。
しかし当時の私はまだ若かったせいもあって、そこまで考えることができませんでした。
こうして私は結局、学生時代はずっと帽子をかぶり続け、自分が傷つくことを恐れてあまり女性とも関わらないようにと過ごしてしまっていたのでした。